利用者さんの困ったにちょっと助かる介護用品

みなさんは、介護を助けてくれるグッズをどれだけご存知でしょうか?

私もすべてを試したわけではありませんが、今まで使ってきた中でよかったなと思うものを少し紹介したいと思います。

 

スライディンググローブ

寝たきりの利用者さんの寝返りを介助するときや、ベッドからの移乗をするときに便利でした。パラシュート生地のような布でできた腕にはめるタイプのもので、ミトンの形をしています。長さは肘くらいまであるかな。そのグローブをした状態で利用者さんのベッドと体の隙間にそっと手を入れます。普通なら、突っかかりがあって奥まで入らないのですが、このグローブを使うと、利用者さんの体を突っ切って反対側まで手が出て、そのままベッドとグローブの面を滑らすように移動ができます。同じシリーズの商品でスライディングシートもありますが、シートの場合、いったん利用者さんの体を動かして、シートを下にひかなければならないので、手間がかかります。このグローブだと簡単に動かせるので、力のない私には重宝しています。

 

水洗トイレのカバー

施設のトイレは、おしり洗浄のボタンが、便座の横についているタイプのトイレなのですが、利用者さんが立ち上がるときに、うっかりそこのボタンの部分を支えに立ち上がってしまいます。すると、おしり洗浄が作動し、ズボンを上げた利用者さんに向かって、水を発射してしまうのです。これを防ぐにはどうしたらよいのか。条件は、おしり洗浄を使いたい利用者さんもいるので、普段は触っても洗浄されず、使いたいときは簡単に使える方法。意外と簡単でした。牛乳パックをボタンが隠れる長さに切り、かぶせるだけです。これで利用者さんがうっかり触ってもおしり洗浄が発射されなくなりました。

 

他にも施設では様々な便利アイテムを使っています。大きいものなら車いすやポータブルトイレ、小さいものなら介護用の食器、体位変換クッションなど、それは、市販されている物だったり、職員のアイディアで編み出されたものだったり。ちょっとした介護者にとっての苦労や、介護される側にとっての不快を助けてくれる介護用品。これからもいろいろ試して使ってみようと思います。

男はいつまでも。。すけべなおじいちゃんへの対応

普段はディサービスを利用されているのですが、毎週水曜日から木曜日の2日間のお泊りの利用で、田所さんが入所されます。田所さんは認知症です。あと、足腰が弱くなってきた様子で、歩行器でつかまり歩きをしています。

 

この田所さん、実はちょっとスケベなおじいちゃんなのです。

利用者さんが入所されるとき、送迎スタッフが迎えに行って、ショートステイのスタッフは玄関にお迎えに行きます。田所さんを迎えに行くと決まって、エレベーターの中で、

「今日もええ胸しとるのぉ」とゆっくり胸に向かって手を伸ばしてきます。

そんなとき、私はすかさず伸ばしてきた手をつないでにっこり。「さあ行きましょうか」と片手に荷物を持ち、ゆっくりと歩き出します。

胸をさわれなくても、手をつないだことに満足して、にこにことついてきてくれるかわいいおじいちゃんですが、今日はびっくりしました。夜勤上がりの50代のスタッフにお迎えを代わりにお願いしたところ、みんなの前で平然と胸をもませているのです。

いやはや。。

以前私より若いスタッフに、「田所のおじいちゃんが、あちこち触ってきて嫌です。どうしたらいいですか」と相談を受けたこともあったのですが、「減るもんじゃないし、いくらでもさわってええよ~」と言いながら、他の利用者さんがいる前で胸を触わらせているスタッフ・・・。

とりあえず、一通り田所さんとのやりとりが終わった後、脇に来てもらい、たしかに、欲望通りにしたほうが利用者さんも落ち着くけれども、ある程度の線引きをしないと、欲求が増して手に負えなくなることもあるし、ましてあなたはよくても、見ているほうが不快になることもあるので大衆の面前では、最低限の品のある対応をと説明させていただきました。

 

認知症に限らず、その人の性格でスケベな方もいらっしゃいます。人間関係が悪くならない程度のあしらい方も身につけたいものですね。

新しいレクリエーションのゲームを作ってみた

今日はお仕事がお休みです。そこで、かねてから考えていた利用者さんと遊ぶための新しいレクリエーションのゲームを作ってみようと思います。

 目指すのはジェンガの空き缶バージョン

材料

  • 段ボール
  • 空き缶(大500ml中350ml小185mlの3種類の大きさをそれぞれ約10本ずつ程度)
  • ガムテープ4色
  • 軽い置物

 

1.段ボールを円の形にそれぞれ大、大、中、小の4つに切ります。切ったところにはガムテープを張り、指を切らないように整えます。

 

2.大中小それぞれの空き缶に、赤黄青色それぞれのガムテープを巻きつけます。

このひと手間から、

・ガムテープを巻きつけることで冷たい空き缶に温度を与え、手先が不自由な人にもつかみやすいようにします。

・大中小、赤黄青の9種類の缶を作ることで利用者同士どれを取ればいいのか声を掛け合いやすくします。

・倒れた時の缶の音を軽減します。

の効果を期待しています。

 

3.缶を片付けるのにちょうどよい箱を用意して収納の箱とします。

 

一番下に円状の大の段ボール、その上に空き缶3種、その上に大の段ボール、空き缶3種、中の段ボール、空き缶3種、小の段ボール、軽い置物(ぬいぐるみとかビーチボールとか)を置きます。

テーブルを囲むように利用者さんに座っていただき、順番に一つずつ空き缶を取ってもらいます。職員は無理に利用者さんが立ち上がらないよう、一番下の段ボールを持って利用者さんの座っている目の前までタワーを移動させたりします。

 

以前介護のテレビ番組を見ていて紹介されていたゲームを多少作り変えて作ってみました。そのテレビ番組ではタワーが倒れるときの音に利用者さんたちが大声を上げて喜んでいました。利用者さんたちに気に入っていただけたら嬉しいです。

ショートステイで勤める職員が一番困っていること。それはきっと、利用者の持ち物管理。忘れ物。

ショートステイで勤める職員が一番困っていること。それはきっと、持ち物管理だと思います。

 

利用者さんが持ってきたものを、持って帰ってもらう。ただそれだけのことなのですが、どうしても忘れ物が出てしまいます。

そのため、わが施設では、

  1.  持ち物リストを作る(形状、色、柄など細かく記入)
  2.  持ち物にはすべて名前を記入(ショートステイ利用の契約時に、名前の記入がなければ施設側で記入することを明記)

を行っています。それでも家族からの問い合わせがあり、忘れ物が発覚することがあり、施設の信用という面において何とかなくしたいと考えていました。

そこで試験的ではありますが、持ち物を写真に残して管理することを始めてみることになりました。正直、リストを作るだけでも入所者が重なるときは大変な作業になるので、撮影というひと手間がさらに時間がかかるので面倒なところです。しばらくやってみて職員に感想を聞いてどうするか考えていこうと思います。

 

利用者の持ち物がなくなる原因として考えられることは、

  1.  服を施設内で洗濯するときに、利用者同士の持ち物が混ざる
  2.  職員が適当に片付けている
  3. カウンター内預かり(薬や貴重品など)冷蔵庫預かり、居室、洗濯室、浴室など利用者さんのものがあちらこちらで保管してある

などが考えられます。

 

こうやって、改めて持ち物管理のことを考えていると、私がリストを作ったり、片付けたりしているときに忘れ物がけっこうあったなぁと思い出しました。

覚えている限りでは、

  • 退所後にシーツなどを片付けていたら、靴下がぽろりと出てきた。
  • 1週間のお泊りで、衣服類をそれぞれ7枚以上持ってこられて、リストに書き起こす時に訳が分からなくなって、片付けるときにリストの数と実際の数が違ってきたこと
  • 全身介助の利用者さんが補聴器をつけていたのですが、初めてその利用者さんの片づけを担当した職員が、リストに書いてないからと、荷物預かりの中に入れて施設保管をしていたこと。ほかの職員は、補聴器は常につけているものなので預かるという感覚がなく、リストに書いていなかった。
  • 衣類はタグの部分に名前を書くのですが、タグが切ってある服の場合、名前を記入した場所が分からなくなり、洗濯後だれのものかわからなくなった

私、けっこうやらかしていますね(汗

この経験をもとに、これからも気を付けていきたいと思います。

ショートステイが多い日の席順

梅雨明け宣言があり、台風もすぎ、昨日から夏らしくめっきり暑くなってきました。

これからは、利用者さんの脱水症状、熱中症などに気を付けなければならない時期です。

 

夏場は、ショートステイの利用者さんも多少増えます。自宅の暑い環境の中で過ごすより、施設の涼しい環境で過ごすほうがよいからなのでしょうかね。

 

ショートステイには、家族の用事で突発的に利用する方、毎週決まった曜日に利用される方、1か月一日も自宅に帰ることはなくロングで利用される方(本来、ショートステイの場合この利用方法は認められず、特別な理由をつけての申請を行います。また利用料も高くなります)の3パターンに大きく分かれます。

毎日のように、同じ空間にいる利用者さんの顔ぶれが変わり、変化に富んでいます。

大半のご年配の方は、変化に富んだ生活より、落ち着いた生活を好まれるので、そのようなトラブルも多々あります。

 

たとえば、リビングでの席。ロングステイされている利用者さんは自分の席と決めている場所があり、そちらにほかの方が座っていると、いつもその席に座っている利用者さんは居場所がなくなり、落ち着かなくなります。はっきり物事を言える方だと、「そこは私の席なのよ」と主張し、何も知らずに座っていた利用者さんは居心地が悪くなってしまいます。そのため、ショートステイに泊まりに来られた時に、職員が席へ誘導し、最初にお茶を出してゆっくり話します。そうすることで自然と、誘導した席が止まっている間その利用者さんが安心して過ごせる場所になるのです。

 

また、TVがみたい利用者さん、トイレの近くにいたい利用者さん、ソファーで寝ていたい利用者さん、みんなとおしゃべりがしたい利用者さんなど、利用者さんの好みに合わせて席を用意するのですが、なかなかみんなが納得する席づくりも難しく、試行錯誤の毎日です。