特養での入浴事情

ショートステイを利用する場合、利用者に入浴をしてもらうことが条件となって契約をしています。

しかし、土日のみの短期利用者の場合、入浴に職員の人員を割くことがなかなか難しい時もあります。

施設の特養の入所利用者は、週に2回以上の入浴が義務付けられています。そのため、最低2回の入浴を最低ラインの目安とし、もっと入りたいという希望者や、医療処置のための入浴しなければならない利用者などを中心に回数を増やしています。できるだけ特養入所利用者は平日に入浴してもらい、土曜はデイサービスの職員とショートステイの職員で連携して一般浴を中心に行い、日曜は職員の数が足りていないので基本的に入浴サービスは行っていません。

ですが、どんな手違いが起こったのか土日の短期利用で、ほぼ寝たきりの利用者が入所されました。利用者の家族にとっては、施設を利用=入浴と思っているので、ショートステイの職員で気が付き、入浴ができないと説明しようにも、もうキャンセルができない状況で、受け入れるほかありませんでした。しかしその方のために機械浴を行うため人員を二人割く余裕もないので、仕方がなく全身清拭を入浴の代わりとし施します。プライバシー上居室のドアをしめ切って行うため、居室に入り込みフロア全体の雰囲気がわからなくなり、利用者さんの事故が発生しやすいというリスクを抱えつつ・・・。温かいお湯や着替えを用意して、利用者さんをベッドの上で、あっちへコロン。こっちへコロンしつつはい出来上がり!清拭に不慣な私が行うと10分以上は時間がかかったかなー。床にお湯も散らかしてしまうので、片付けも一苦労です。私は人に体を全部拭いてもらうという経験はないのですが、清拭してもらう利用者さんっていったいどんな気持ちなのかなー。と思います。私の拭き方で満足できているのかなー。と。相談員からも家族に説明してもらいましたが、ショートステイ職員としてお手紙も添え、クレームがないことを祈りつつ、明日の退所を待つことになりました。

ショートステイの利用者は満員御礼。忙しいときに思うこと

今日は遅番です。家に久しぶりに会う親戚が墓参りに来る中、私は仕事です。お盆中は女性陣の家仕事も忙しく、小さい子供がいる人からご年配の職員までできるだけ休みがほしいとの申請があります。主任が人員配置の担当をしているのですが、なかなかみんなの希望を聞くことも難しく頭を抱えていました。

 いつもより職員の数が少なくても、ショートステイの利用者は満員御礼。定員の20名すべて埋まっています。幸い新規利用者はおらず顔なじみの人ばかりなので、利用者の状況を把握することができるので助かります。あとはいかに効率よく動いていくかが勝負です。

あまりにもバタバタしているからでしょうか。時折、特定の利用者さんが手伝いを申し出てくれるので任せても大丈夫な範囲でお願いができると助かります。

 備品の確保や、掃除などの雑用をしているといつも思うことがあります。リビングで利用者さんが休んでいる中、私一人がバタバタ動いてみんな休まるのかなーと。たとえば家の中で、夫や子供がリビングで休んでいるときにトイレ掃除やキッチン仕事、がんがん掃除機の音が聞こえたりしたら、やっぱり気になりますよね。でも施設では、どうしても利用者の日常の中に、職員の仕事の時間が入り込んでしまいます。たとえば、それは些細な会話にも表れている気がしています。よく職員同士が顔を合わせると「おつかれさまです」と声をかける光景を見るのですが、それを利用者の前であいさつの代わりのように堂々と言うのは利用者目線から考えるとどうかと思うのです。そこは普通に「こんにちは」などのあいさつでよいのではと。考えすぎなのでしょうか。私はどうしても、利用者の前でお疲れ様ですというと、あなたの面倒は疲れるわと言っているように感じとってしまうのです。

 尊敬する先輩職員に、「フロアの雰囲気は職員が作り出す」とか「利用者には愛想よくしつつも舐められないように」などのアドバイスを受けます。カリカリ怒って仕事をしたり、いやな雰囲気を出したりしていると、特に認知症の利用者が落ち着きません。また利用者さんに舐められるとパシリ状態になり余計な仕事が増え、全体を把握しづらくなります。特に忙しい時は、そんなことを頭の隅におきつつ、仕事に取り組んでいます。

介護職は3K?このことを皆さんはどう思いますか?

介護職って現場仕事で結構たいへんですよ

今日は、看護婦と利用者さんの扱い方について意見がすれ違い、話し合ってみたのですが、お互いバックグラウンドがちがうため、平行線で解決ができません。医療目線で話す看護婦に、介護目線で話す私。よく考えてみれば、お互い正しいことを言っているのですが、看護婦にとっては、介護職は自分より格が下と思って接しているのでしょう。話し方が上司気取りです。しかし、利用者さんのことを考えれば私も譲れないところなので、今度はほかの職員の力も借りて話し合っていこうと思います。

先ほど話したように、介護職は看護職の下と見られがちです。医師と看護職の役割が違うように、介護職も違います。看護職の皆さんは、3Kと言われていた自分たちの仕事を専門職として発展させ、今では人気の仕事の一つに発展させてきました。

しかし、介護職は、看護職のように免許が必要というわけでもありません。身近なところでいえば、家族間で介護を担うこともできます。介護福祉士や、社会福祉士などは名称独占といい、資格を持つことでその名前を名乗ることができる職種です。一般の方の介護と違い、医療や福祉などの専門的な知識を持ち、身体介護においては利用者にも自分にも負担の少ない介護を身につけます。また、実践を積み上げていくことで経験を重ね、いろいろな状態の利用者にもっともよいと思われる介護を展開していくことができます。  

しかし残念なことに、介護職の質を落とすような遊び半分に利用者の動画をネットにアップしたりする事件が報道されるときもありますし、待遇が悪いためなのか、自分には信じられない虐待を行ったという事件もあります。

もっと介護職の待遇をよくしたいと思うのなら、専門性を磨いていかなければなりません。全国には尊敬に値する素敵な介護士さんたちがたくさん活躍されています。いつか自分もそうなれるよう、日々努力していきたいものです。

利用者さんおすそ分け合戦に要注意!

お盆が近づいてきました。ありがたいことに今年のお盆中のショートステイの予約がいっぱいです。ですが、職員のみんなは休みがとりたいので、人数がぎりぎりに・・・。なかなか難しいところですね。

お盆になり、利用者さんのところには遠方の家族も顔を見せにきてくれます。そうなると、管理が難しくなるものが利用者さんへのお土産で持ってこられた食べ物類。よほどの食事制限がある方には持ってきてもらうことを遠慮してもらいますが、基本的には自由に食べ物を持ってきてもらっています。利用者本人が管理することは難しいため、職員が預かり冷蔵、冷凍、常温保存の区別。だれのものか名前の記入。賞味期限を管理して、期限までに食べてもらえるようにおやつや食事の時間に出す。などひと手間かかります。

さらに面倒なことは、利用者さん同士の食べ物の交換です。おじいちゃん、おばあちゃんの世代は分け合って食べることが当たり前の世代です。美味しかったらおすそ分け。多かったらおすそ分け。職員の目を盗んでみんなで食べてしまいます。

このおすそ分けが日常化し増長してくると、みんなでおすそ分け合戦です。「あの人に食べ物をもらったから買ってきて」と家族の人にねだったり、「うちは家族が来ないからもらいっぱなしで申し訳ない」と落ち込んだり。おすそ分けの品もどんどん豪華なものに加速していきます。

これを防ぐために、入所前の説明で相談員より家族の方へ食べ物は本人の分だけにすることを話していますが、守り切れる方は少ないですね。現場としては、利用者さん同士の交換はある程度は見守りつつ、度が過ぎてきた利用者さんには本人を含め家族に直接遠慮できるようにお願いしたりします。また、職員へと日ごろの感謝をこめてもってこられる方もいるので、高価なものは個人で受け取らないよう気を付けています。どうしてもという場合は代わりに施設で受け取り、職員全員にいきわたるよう分配します。それだと、やっぱりものたりない利用者さんに、私は普段食べている飴や駄菓子を片手に握れるくらいもらって喜んだ顔を見せてポケットにしまってもらっています。孫におやつをあげる感覚なのでしょうか。笑顔で渡してくれる利用者さんをみると、うれしくなりますね。

相手の喜んだ顔を見たいから、日ごろの感謝を伝えたいからと贈り物をしたいのは人として当たり前にある感情です。その感情を大切に扱いつつも、周りへの影響に配慮するバランスの難しさを感じます。さあ、今年もおすそ分け合戦が横行しないように気を配っていきましょう!!

褥瘡の処置を見たら、、、もぞもぞぎゅっぎゅ

先日久しぶりに入浴業務をして思ったのですが、皆さん褥瘡ってみたことがありますか?

普段ショートステイの担当だと、比較的元気な利用者さんが多いため、褥瘡を持つ利用者さんをこれまた久しぶりに拝見しました。

 

褥瘡は、介護者が体位交換を怠っているためにできるといわれることもありますが、しかし、いくら寝返りのお手伝いをしても、筋肉が落ちて、骨が出てきてしまった利用者さんやの褥瘡好発部位(仙骨、かかと、おしりなどが多いです)に発生してしまうことがあります。

初期段階では、圧迫を受けた部位が赤くなります。そのまま圧迫し続けると水疱や紫斑が現れ、浅い褥瘡では浅いびらんがみられるようになります。さらに進行した深い褥瘡では急性期を過ぎたころに創面が徐々に黒ずんで、壊死組織が明らかになり、慢性のものでは、創が洞穴状に皮下に拡大するポケットを形成する場合もあります。感染があると悪臭を伴うことがあり、体力が衰えていると褥瘡の感染が全身的な感染を引き起こすこともあるので注意が必要です。

 

施設では割と、初期の褥瘡のうちに発見し、その状態にあった処置を施し悪化する前に治すことができていたのですが。。。

 

今回拝見した利用者さんは、栄養状態が思わしくない様子で、褥瘡ステージがかなり進んでいました。処置してあるガーゼを見ると、教科書で見たような褥瘡ポケットが現れました。それを水道水できれいに洗い、余分な組織を洗い流します。洗い流していて思うのですが、あの創傷の状態の利用者さんは痛くないのかなー。自分がけがをして皮膚がえぐれ、そこに水を当てている感覚を思い出し、もぞもぞしてしまう私です。利用者さんは、寝たきりで意思表示を表せない様子で、目は開けているのですが水を当ててもピクリともしません。看護師は、処置のため褥瘡部をコットンやピンセットを使い処置をしていくのですが、もう見ている私は、感じないはずの痛みを感じ、もぞもぞぎゅっぎゅ・・・。

 

やっぱりブログを書いていても思い出して、体の奥底がもぞもぞとしてきて、胸がぎゅっぎゅしてしまいます。

 

もぞもぞぎゅっぎゅ したい方は

「褥瘡 画像」で検索!閲覧注意ですよ!!

夏の入浴業務は熱中症に注意!

久しぶりに、機械浴のお手伝いに行ってきましたが、暑い!暑い!なんだこの暑さはー。

 

主任から、機械浴の担当スタッフが熱中症で倒れたのでヘルプに来てほしいと連絡を受けて急きょヘルプとして業務にあたりました。

 

わが施設は、比較的新しい施設のため居室はユニット形式です。以前はユニットから1名ずつ人員を交代で出して入浴業務を回していたのですが、現在は人員不足のため、入浴専門の派遣スタッフが中心となって回しているため、ユニット担当者は入浴を担当することはほぼありません。そのため、機械浴を扱える職員の数が最近限られてきているように思えます。

入浴は主に、個浴と一般浴と機械浴の3つに分かれています。個浴は、一般家庭のお風呂のような設備で、一人ずつお風呂に入ってもらえます。各フロアに3つずつ個浴があり、全体で9室あるのですが、現在利用している利用者がほんのわずかのため、1室のみ利用しています。一般浴は温泉情緒あふれた浴室で主にデイサービスを利用される方が入られます。機械浴は、車いすの利用者で座ったまま入れる座浴と、寝たきりのまま入れる寝浴が2台ずつ合計4台あり、入所利用者が週2.3回入れるように予定を組んでいます。

 

今回の入浴業務で、初めてお会いする座浴の利用者さんとは、会話によるコミュニケーションが取れるため希望をききつつも職員に確認しながら入浴してもらえるのですが、初めてお会いする寝浴の利用者さんとは、会話ができない方も多く、また医療処置を必要としている方もいらっしゃり緊張しました。

施設のバックグラウンドが医療系列のため、利用者は医療を必要とする大半を占めています。入浴時に気を付けることがいろいろとあるので確認を怠れません。以前お会いしたことのある利用者さんでも、しばらく会っていないと(こんなに変わられたのか)と思ってしまうほど状況が変わっていて、どう接していいのかわかりませんでした。入浴の時間帯には看護スタッフが常駐しているので、褥瘡の処置や、持病のための入浴の仕方、新しくできたであろうあざの対応など的確な指示が飛び交い、入浴専門のスタッフとともに早々と仕事を進めていきました。

 

本当に情けないことに、個浴や一般浴と違い機械浴は工場のライン作業のようです。元気な時はお風呂が楽しみだった利用者さんも、こんな流れ作業のような機械浴では味気ないことでしょう。しかし、こういった機械を使わなければ入浴することが困難なことにも違いありません。もう私の感覚も慣れきり、まためったにしない入浴業務だったため、問題に思うこともあまりなかったのですが、こうやってブログに書き起こすと、何とかしたいなーという気持ちが芽生えるものですね。ほかの施設はどうやって入浴しているのでしょうか。今度調べてみたいなと思います。